2016年8月29日月曜日

メキシコシティマラソン2016参加

メキシコでマラソンを趣味にし初めて1年半、最初に参加した15kmの大会から約1年経過し、今回人生初のフルマラソンであるメキシコシティマラソン大会に参加した。
例によって一人で参加するのもなんなので、渋る先輩の一人(前記事参照)を無理やり巻き込み一緒に参加することにした。

申し込みしたのはほぼ半年前ぐらい。ハーフマラソンも前記事のレースから3回ぐらい参加し、なんとか21kmで2時間切れるぐらいのタイムにまで持ってこれた。単純計算ならフルなら4時間切れるのではないか、初めて1年でSub-4(4時間切。ランナーにとって一つの大きな目標)というのも格好いいななどと妄想していたがそうはいかないのがマラソンなのである。


元々、標高2200mの高所であることに加えて中盤並びに後半にかけて登り坂が続く極めて無慈悲なコースである。
一方メキシコシティ中心街は毎日曜午前にランナー、バイカーのための歩行者天国を市が実施しておりたとえば前半のコースは格好の日曜ランニングのコースでイメージしやすいというメリットはある。

まずはゼッケンの取得、申し込みした時は当方の自宅からも近いワールドトレードセンターでの配布だったはずが、1週間前ぐらいからFacebookにて空港近くのレース場でマラソンEXPOをやるという案内になり、初日に「もうパッケージ(ゼッケンやその他)はもらったかい?」というアナウンスがしれっと流れる極めてメキシコ的な展開(FBでも結構質問が飛んでいたけど主催者最後まで無視していたな)

結局パッケージ配布はレース場で実施

並みのスポーツショップより充実した品揃え
ゼッケンやウェアをもらい受け翌日のため早めの就寝につく。
ただ今回スタートとゴールが距離離れているので預け荷物どう回収するのか(まさかスタートに戻るのか?)気になって眠れず、前日にFacebookの書き込みで友達になったばかりの他参加者の方に質問すると、それはバスで番号別に集め、ゴールまで持っていってくれるとのこと。Facebookやってなかったら全然情報なく参加すらできなかっただろうなと改めて思う。

スタート前の準備 まだ暗い
荷物は教えてもらったとおり、複数台のバスが待機しており、ゼッケン番号別に預ける。その際名前の読み方をお姉さん方が「ええとサ◯スゥイ?」「いやサ◯シ」だと確認しあっていて恥ずかしかった
4時間代ランナーの集合場所 先頭より30分ほど遅いスタート

出発直前 奥になるのが国立オペラハウス(Bellas Artes)
4時間ランナー(あくまで自己申告)は最先頭集団に遅れること30分後の出発。スタートラインまでの移動の間、各ランナーがめいめいに叫んでいて(メキシコだと珍しくない)だんだん気分が盛り上がってくる。

結局朝7時50分ごろのスタート(会場入りしたのが6時前頃もっと遅くきてもよかったかなと思う)最初オーバーペースになると後が辛いというのをさんざん本で読んでいたので無理しない走りを心がける。それでも時計見るとキロ5分40秒を維持。これが自分にとっての楽なペースなのかな、なら4時間も可能かな、、、という考えが甘かった。

結局大勢のランナーや沿道の歓声、聞いていた音楽(TOTOのライブ盤アルバム)で浮き足立っており結局オーバーペースだったのだろう。
また実際自分たちの前の集団(4時間未満ランナー達)も結構遅いペースで走っておりそれを抜かしたりぶつかったりしたことで疲れも出てきたのかもしれない。

この頃はまだ余裕の表情(真ん中にいる日本人が筆者)
  それでもいつもハーフマラソンですら必死に辿りつく21kmは余裕で越しペースも維持していたのである。それが23kmぐらいになると息苦しさ(正直今まで高度による息苦しさなんて感じたこともなかったのだが)やなぜか右肩の痛みが出てくる。我慢できず歩いてからまた走り出すと他のランナーの壁もあり思うように走れずいらついてくる。だんだんペースも落ちてきて、すでに4時間以内のゴールはこの時点であきらめる

27km以降になるともう1kmごとに走ったり歩いたりの連続。よく30kmの壁というが私の場合はもっと早くきたみたいである

https://connect.garmin.com/modern/activity/1326156152
(恥ずかしながらここで私のランニングウォッチの記録が見れます)

この頃になってくると頭の中がネガティブなことでいっぱいになってくる。練習方法がまずかったのか、やはりオーバーペースなのか、フルに挑戦するのはまだ早かったのかとかそもそも堪え性が足りないのかとか・・・苦しくなる呼吸を歩いたり止まったりしながら整えてなんとかジョギングベースだけでも維持しようとする
39km付近 だいぶバテてきている
一方、沿道の人たちの声援はすざましく、またゼッケンに名前が書いてあることもあり「サ◯シ、まだ走れるぞ」「サ◯シ、もう少しだ」とありがたいが、へたっているときは恥ずかしいというか、正直放っておいてほしいと思うがこれもメキシコならではである。

ただそれでも徐々にゴールに近づいていきているんだなという感じがでてきた。
ゴールであるUNAM(メキシコ国立自治大学)のスタジアム(ちなみに大学の元サッカーチーム PUMASがプロリーグでありそのホームスタジアムにもなっている)が見えてきたときはそろそろかと思った41kmのあたり、ここで突然に左足が痙攣を起こす。
びっこを引き出した私を見て、後続のランナー達が沿道の人たちに「サポートしてあげて」と声をかけてくれ、警備にたっていた警官の方と沿道の方々がありがたいことに氷を当ててくれたり、水やジェル状の甘味料をくれたりしたおかげで1−2分ほどで回復、ゴールを目指す。

スタジアムの駐車場に入り、地下トンネルをくぐり競技場に入るタイミングで各ランナー達も興奮し「もう到着するぞ!」との掛け声、男性ランナーも女性ランナーも一緒にあげる歓声で感激もひときわ高まってくる。

そして最後はゴール。途中いろいろあったけど最後は笑顔でゴールできた、、、と思う。
周囲のランナー達と握手を交わしながらメダルやプレゼント(Tシャツ)をもらい受けに行く
ゴールしたばかりの筆者 カメラを意識して無理な笑顔



そのメダルをもらった直後であるが両足に強い痙攣がおき、「痛てぇ」と大声をだしてその場に卒倒してしまった。
すぐさま周囲の人たちが駆け寄り足を押したり氷をあててくれたりした。(たぶん一人だったら対処できなかったであろう酷い痛みだった)また足の付け根の方まで急に痛みが走り、足を押したり伸ばしたりしながら、なんとか立てるところまで回復するまで正味10分ぐらいかかったであろうか。

その後、丘の上に預け荷物用バスがきており、痛い足を引きずりながらもらい受けに行く。
預けた時と同じお姉さんたちが「サ◯シおめでとう」「また来年ね」(もし来年もメキシコにいたら、、と言おうと思ったが息が苦しくて話せなかった)。林の木陰で着替えるがその際も動悸が止まらずしばらく横になる。水やドリンクをがぶ飲みするが喉の渇きがおさまらない

帰りはやっとの思いで臨時バスとタクシーを乗り継いで帰宅する。


結果はネットタイムで4時間37分51秒(オフィシャルはスタート30分遅れのため5時間11分41秒)。あれだけ歩いたり休んだにしてはまあまあのタイムだったなと。ただ次回は申し越し序盤のペースを落として最後まで走りきることをまず目標にしよう、、、と痛い足をさすりながら思うのであった。


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